駐夫です。
2018年・ニューヨークシティマラソンのあの感動の日から、間もなく1カ月が経過しようとしている。
人間の記憶ほどあやふやなものはなく、証拠がないと他人から信頼されないのは、古今東西、共通した話。そこで、自らの記録に残し、記憶を証拠に変えるべく、3回に分けて、完走までの日々を振り返りたい。
タイトルにもあるように、私はマラソン完走歴1回こそあれど、体力に自信があった大学生の時の話だ。それから20年以上。実質初心者の私でも、何とか走り切れた記録が、参考になれば幸いだ。
記すきっかけのひとつが、初心者の挑戦記がなかったため。その意味でも、お役に立てれば、なおのこと嬉しい限りである。
1.なぜ参加しようと思ったか
2.参加申し込み→まさかの抽選外れ
3.別ルートで申し込み
4.練習開始、カラダが重く、ほとんど走れない
5.しばし練習中断
【なぜ参加しようと思ったか】
駐夫がホノルルマラソンに参加し、完走したのは1995年12月。卒業を控えた大学4年生の時だ。大学生協で見かけたパンフレットが無性に気になり、ゼミの友達数人に声を掛けたところ、3人が乗り気を示してくれた。
卒業論文の完成を間近にした大事な時期に、ゼミを2回休むことになるため、4人で先生におそるおそる休む旨を伝えたところ、「いいじゃないか、行ってこい」。
23年が過ぎた今でも、最高の思い出として、心に刻まれている。自らに打ち勝つ「克己心」との言葉が、完走直後に思い浮かんだ、あの感動と充実感、達成感、充足感、満足感等々をもう一度味わいたかった。
並びに、NYに引っ越したという事情もこれあり。限られた米国生活であり、後悔だけはしないよう、チャレンジできることは何でもしたかった。一度は出てみたかった、という思いと、ホノルルマラソンの感動劇が心の中でコラボしたことを受け、応募しようと考えた。
【参加申し込み→まさかの抽選外れ】
公式サイトから、申し込み開始直後の1月中旬、オンラインで申し込み。入力を求められるデータがそれなりに多く、多少手間取った。サイトは英語だが、そんなに難しくはなく、無事に登録完了。クレジットカード情報が必要だ。そして、あとは、吉報を待つのみだった。ちなみに、応募期間は約1カ月。
抽選は、①ニューヨーク市民 ➁それ以外の米国在住者 ③海外在住者 に分けて、それぞれ行われる。ニューージャージー(NJ)在住の私は、➁に該当。抽選なんて、簡単に当たるものと、半ばなめていた。ところが、
待ち受けていたのは、まさかの抽選外れ。ガーンっ。。。笑
あとから調べると、倍率は約6倍。考えてみれば、これはかなりの狭き門。
あきらめるしかないか、、と思っていた。
【別ルートで申し込み】
そんな時、抽選に外れたことを記したFBを見た東京の知人(出場歴あり)が連絡をくれた。知人は2年間のNY暮らしから戻ったばかり。アメリカにある日系旅行代理店が、出場枠を抑えているので、可能性あるとの情報。
彼が教えてくれた「アムネット」という代理店に連絡を大至急取ると、まだ余裕で空いているとのこと。通常の参加費300ドル前後と比べ、699ドルは一瞬躊躇したが、お金を積めば出られるならば、、との思いで即決断。日本に住んでいて現地の代理店の枠で登録・出場する、との体で参加するため、日本の住所が必要なのがネックになる人がいるかもしれない。私は、東京に残してきた自宅の住所で登録した。
これで、出場権はとりあえず確保。ひとまず、安堵した。
【練習開始、カラダが重く、ほとんど走れない】
本番までおよそ5か月の6月2日、ようやく練習開始。今、こうして書いているだけで、やる気を疑われるだろう笑笑
ひとつだけ言い訳すれば、NJは雪深く、寒すぎて走る気になんかなれなかった。加えて、10数年ぶりの大寒波に襲われたため、一層走るのは無理だった。
とはいえ、8月31日に自由研究をまとめていたようなタイプなので、その性向はなかなか変わらないのが玉の傷。来年も出るのなら、もう少し、早くからトレーニングしないといけない。
初日のトレーニング。ストレッチの後、自宅周辺を走り始める。300メートルで、息が切れ、足が上がらない。体重が重く、とにかくしんどい。とにかく、走れない。
上の写真のように、初日の練習は、1キロに10分以上を要し、5.85キロに58分以上かかった。最初の300メートルの後は、ずっと歩いていた。
こりゃ、大丈夫か。。不安が頭をもたげる。
まずは、5キロを何とか走れるように目標を設定。2回目の練習ではムリだったがが、3回目の練習では、5キロを歩くことなく走り切れ、タイムも30分切り。住んでいる街で、近々5キロレースがあることを知り、すかさず申し込んで、やる気の醸成にいそしむ。
練習開始から、約2週間。このレースで、26分台で走ることができ、「オレ、できるかも」と少なからず自信を深める。ただ、スタート地点で前の方に位置してしまい、速いランナーたちに完全に飲み込まれた。最初の1キロは、4分台笑。明らかなオーバーペースで、2.5キロから4キロがとにかく、しんどかった。
自分がどのぐらい走れて、平均と比べてどれほどの位置にいるかを、この時期に知れたのは有益だった。スロースターターの私だが、本番に向けて、何をするべきかが、素人なりに少しわかった気がする。
【しばし練習中断】
練習開始2週間で、26分台で走れたことに、周りから「速いね」とのお言葉をもらい、気をよくしたため、それからしばらく週2回は必ず走るように心がけた。
マンハッタンの摩天楼を眺めながら、ハドソン川沿いを走ると、それだけで気分が高揚する。
ジョージワシントンブリッジを渡って、NYにジョグで入ると、攻め込んでる感がある。
旅行先のアラスカ・アンカレジで走ったのは、気持ちが良かった。
と、走ることに恍惚を覚えていたが、その後、勢いは完全にストップした。(続く)