駐夫です。
ウィルス禍が米国を襲来し、自宅軟禁生活が始まってから考えていたことのひとつ。
この季節で良かったのか、悪かったのか。
起きてしまったことは仕方ないし、ifは禁物だが、少しばかりのお付き合いを。人間心理に与える影響から、好対照となる2つの季節パターンで考察してみる。
【冬→春→夏に向かっていく時期】
長い冬を脱し、米東海岸はこれから素晴らしい季節に突入していく。
今季の冬は比較的暖かく、雪もほとんど降らなかったので、厳冬、極寒といった厳しさを感じたことはなかったが、日が短く、寒いことには変わりなかった。
5月末のメモリアルデーから、9月初旬のレイバーデーが米国の夏。東海岸は、暗くて長い冬を脱した喜びで、人々は一斉に外に出始める。
桜が散るのと同時に、木々には新芽がつきはじめ、芝生の緑は日に日に美しくなっていく。小鳥がさえずり、リスは躍動感にあふれる。
街並みが新緑に包まれ始めると、人々は薄着になり、そこかしこでBBQが開催される。ジョギング、散歩、サイクリングをする人が一気に増え、どこから人が湧いて来たのか、と思わせる。
メジャーリーグが始まり、NBAはファイナルへ。NHLもスタンレーカップが行われ、この国が持つ4大スポーツの凄み、一年中楽しめる娯楽ソフトの充実ぶりを実感する。
週末の行き先は選択肢が多すぎて、困るぐらいだ。さらには、夏休みの旅行計画をバッチリ立て、子どもとともに楽しみで仕方ない時期だ。子どもたちも、サマー(キャンプ)が待ち遠しく、世代を問わず、ワクワクする季節となる、、
のはずだった。
これらはすべて吹っ飛んだ笑 もはや妄想をするしかない笑
NJ州の学校は5月15日までのクローズが発表された。6月26日の学年末まで延びるだろう、恐らく。夏休み中のサマーは、オンラインで実施されるのか。誰も分からない。未体験なのだから。
心湧き踊る季節に、外に十分出られないのは、相当なストレスがかかる。とはいえ、素晴らしいシーズンを迎えていること自体は、人間心理的には歓迎できることだ。
私自身は、このウィルス禍の始まりが、冬で良かったと思う。
【秋→冬に向かっていく時期】
上と真逆のパターン。
冬に向けて、動物同様、巣篭りの準備を始める。ダウンを出し、服の重ね着は日に日に増える。外出は億劫になり、日は短くなる一方だ。曇りも多く、気分はふさぎ込むとまではいかないが、いろいろな事が面倒くさくなる。
これにウィルス禍が重なったら、なかなか厳しかったかもしれない。精神的に。ただでさえ、気分が落ち込む中、輪をかけて落ち込むことが重なり、さながらダブルパンチ、フルボッコの状態だ。寒い中、買い出しは苦痛に他ならない。
寒い時期、どうせ外出回数は少なくなるのだから、この時期に襲来した方が良かったとの思いを抱く人もいるだろうが、私はちょっと違う。鬱症状が出る人の数は、現在の比じゃないんじゃないだろうか。
とにもかくにも、この素晴らしい季節を一刻も早く、東海岸の人間たちに返してほしいものである。ただ、それを誰かに言ってどうなるわけでもないし、誰かが何かをすぐに解決してくれるわけでもない。しかも、敵の姿は見えない。何と闘っているのかよく分からない。仮想敵をつくりようがない。
感情の矛先、向ける先がないのが、今次の問題において、実に厄介であり、気持ちを静めるのにしばし時間を要する。
そんな感情がじわりじわり、多くのひとを苦しめ始めている。