2020年の出来事

なぜ他人がつくったモノは美味しいのか 飲食店の屋外営業解禁で考えた 

 駐夫です。

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 3か月ぶりの外食へ

 わがNJ州では、6月15日から、飲食店の営業が屋外に限り、解禁された。実に3カ月ぶりのこと。路上や駐車場などスペースがあるお店に限定されるとはいえ、ただただ嬉しいものである。

 店舗前に、テーブルセットやパラソルを出し、6フィート(約1.8メートル)のソーシャル・ディスタンスを取って並べられる。人々は会話を楽しみながら、嬉々として食べ物を食べ、飲み物を飲む。

 そんな人々を見ながら、歩く人々もどことなく嬉しそうだ。往来する人が増え、生きた人間の声が飛び交い、おカネが落ちる。街には活気が溢れ、少しづつではあるが、元気になってくると、この3か月、一人ひとりが頑張ってきた成果が表れたきたことを、しみじみ実感する。

 そんなことで、もはや、いてもたってもいられなくなり、知人を誘って、早速飲みに出かけた。

 マスクを付け、ハンドサニタイザーを2つ持ち、帽子を着用。店から突き出たテラスに設置された席に着くだけで、心は湧き踊る。案内された席は、テラスの隅っこ。2サイドだけを気にすればよいわけで、これは助かった。

 飲み物を注文してから、店員さんが持ってくるまで、待ち遠しいこと、この上ない。

 クラフトビールの生を手にとり、早速乾杯。

 これこそ、待ち望んだ至福のひと時!!!

 知人と十分に食事メニューを相談し、シェアしやすく、直箸ならぬ直フォークにならないモノということで、カラマリ、ウイングチキン、フライドポテトを注文。こちらでは言わないと出てこない取り皿をもらい、各々が食べられるだけの量を最初に取り分けた。フォーク、ナイフはビニール袋入りの使い捨てタイプだ。

 店員さんは、マスクに手袋を着用しているが、注文時、運ばれてくる際は、マスクを外していても、すかさず着用して防御。とにかく頻繁にサニタイザーを使い、余計なモノは触らず、顔がかゆくても我慢した。

 知人のビールが美味しそうだったが「ちょっと飲ませて」も間接キス(古いですね笑)になるため、ご法度。握手もハグもできず、いろいろな点で自主制限を要するのは、正直疲れるが、致し方ない。ちょっとした油断が、取り返しのつかないことになりかねないので。

https://twitter.com/chu__otto/status/1274636191049146368

 さて、どうして他人がつくったモノは美味しいのだろうか。大きく分けて、4つあると思う。

 

 どうして美味しいのか 

 食べるまで味が分からない

 自分で作ると、メニューも味も分かる。メニューを考え、味見をするのだから、当たり前と言えば当たり前。これに対し、お店でメニューを見ながら、料理とその味を想像するのは楽しい。頼んだモノがテーブルに揃った時の「絵」を考えながら、注文を完成させるのにも、センスが問われる。

  

 かけがえのない、待つ間の高揚感

 無事にメニュー注文を終え、アルコールをぐいぐい投入しながら、会話に花を咲かせる。楽しい食事には、気の置けないメンバー、愉快な会話が付き物。そのうちに、次々と運ばれてくるのだが、待つ間、他のテーブルから何とも言えない匂いが漂ってくると、空腹感がさらに高まり、気分は高揚する一方だ。

 

 自宅で家族と食事をするとき、テーブルでひたすら待つというのは、あまりないのではないか。多くが「ごはん、できたよ~」などと呼びかけられ、食卓に集まってくるはず。

 

 後片付けが必要ない

 お皿を片付ける必要もなく、食洗機に入れる必要もない。食べたモノを基本的にはそのままにして、席を離れる。同じことを自宅でしたら、見たくもない光景がそのまま広がり続けたまま。後のことを考える必要もなく、食べることに集中できる。嬉しいではないか。

 もちろん、お店の雰囲気が重要

 これは言うまでもないだろう。高級店には高級店にふさわしい雰囲気があり、大衆店には大衆店にふさわしい雰囲気がある。無論、どっちが良いとか悪いとかの問題ではない。料理の値段には、調度品や食器、店員サービス、テーブルから見える景色なども反映される。

 この生活が始まってから、デリバリーを週数回、適度にまぶし、乗り切っている。ただ、自宅で食べたところで、生活空間であることには変わりないし、万が一を考えて、発泡スチロールからすべて出し、自分たちの食器に移し替えている。そんなことを食べる前にしていると、雰囲気は、自分でつくる料理と何も変わらない。

 何の疑問も持つことなく、お店に出掛け、他人がつくったモノを食べていたあの頃、こんなこと考えもしなかった。考える必要もなかった。当然だったから。

 ウイルス禍以前の外食が、これほどまでにありがたく、幸せなことだったのか。家族の食事を担うようになり、あらためて、その喜びをかみしめている。

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ちゅうおっと
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