ニュージャージー

サッカー日本代表の成長に乾杯! 

筆不精では決してないのだが、どうも、ブログは遠ざかり始めると、どんどん遠のく傾向がある。それがゆえに、今回は、ちょっと肌合いが違うテーマで感触を取り戻してみたい。

賛否両論渦巻いているワールドカップでの日本代表の戦いぶりについて。

「国際舞台で日本も、こんなずる賢さ(マリーシア)を出し切れるようになって、本当に成長したと思う。西野監督は、自らの美学もダンディズムも捨て去り、リスクと人生を賭けたギャンブルを瞬時に判断し、そして勝った。名を捨て、実を取る戦いを決断した西野監督を、断固支持する」

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 東日本大震災後、東北新幹線に掲げられたロゴ。ボールも、時代もつなげれば結構

米国では、試合開始午前10時。トランプべったりのFOXが独占中継・放映しており、チャンネルを合わせて観戦開始。

ストレスが溜まる前半を経て、後半はタイミングばっちりのセットプレーで点を取られ、イヤな感じがしてきた。2002年5月、冷たい雨が降り、スタンドに空席が目立った、仙台でのトルコ戦が頭をよぎる。あの時も、フォーメーションを意味不明にいじり、なす術ないまま敗戦してしまった。

だが、しかし、FOXの左上画面に「コロンビア1-セネガル0」の表示が出ると、実況の声色が変わり、FIFAの公式アプリで順位を確認する日本人サポーターの映像を頻繁に映し始めた。

そして、名キャプテン・長谷部の投入。事実上、伝令となった長谷部が明確に監督の方針を伝え、「負けてもいい、現状をキープする」戦略が鮮明になった。

パス回しに入ってから、付き合いが長く、日本にいるサッカー友達とSNSで会話を始めたが、お互い「感慨深い」との認識で一致。セネガルが同点に追いつくリスクを考慮しても、大胆な采配に、双方とも感服した。

癖で、どうしても前置きが長くなったが、ここからが本論。

日本中を撃沈させたドーハの悲劇から、実に四半世紀。イラクにリードして、試合を終わらせればよかったのに、不用なセンタリングを上げられ、頭でゴツン。オフト監督を迎え、急速に力を付けていたが、時間稼ぎをする戦略は、ベンチもピッチ上の選手も誰も持ってなかった。残念ながら。

あの悲劇はJリーグ創設と同じ年の出来事、私は大学2年。ある友人の「日本はまだまだ、W杯に出るレベルじゃないんだよと神様が判断したんだよ」との言葉はまったくその通りだと思う。そして、今日に至るまでのその後の足取りはご承知だろう。

ガンバ全盛時から、私は西野代表監督論を唱えていた。岡田という人間がどうしても好きになれず、98年こそ観ていたものの、再登板した10年W杯はマジメに観た記憶がない。長友がやたらと重戦車みたいに走ってることぐらいしか覚えていない。

で、西野監督である。本人想定外で強化委員長から急遽、監督となり、国内メディア(主にスポーツ紙)では相当批判にさらされていた。国におらず、肌感覚が失われているため、これだけ批判のオンパレード報道がされると「ホントにそうなのかな?」とどうしても思ってしまった。

例のごとく、コロンビア戦の勝利後に称賛に転じたメディアには「手のひら返し」以外の言葉が浮かばない。それあ、今度はまた、手のひら返しで批判するのか。

ポーランド戦を前に、予選リーグ敗退が決まっていたら、批判はさらに増したことだろう。今回も、時間稼ぎをしながら、裏番組でセネガルが追いついたら終了だったわけで、もう、それは凄まじい批判を浴びていたに違いない。城みたいに、水を掛けられるどころでは済まなかったはずだ。

あらゆる展開、想定を頭に浮かべ、計算し、リスクを取った判断を選択し、全幅の信頼を寄せる長谷部にメッセージを託した西野監督の行動は、男らしい勇気に溢れ、責任を一身に背負う覚悟を決めた、まさに日本代表監督のあるべき姿ではなかったか。

気迫にあふれ、方針を決めたら決してぶれない胆力。チームをひとつにまとめあげる指導力。自らの理想を捨て去ってまでも、現実路線に走る観察力。こうした言葉を踏まえると、あの端正な顔立ちが一段と際立つ。そして、とにかくカッコいいではないか。

他のスポーツ監督、判断を迫られる政治家、経営者も見習ってほしいものだ。

欧州を中心とした海外メディアの批判なぞ、意に介する必要はまったくない。そこには、人種差別もあるし、サッカー後進国のくせにという蔑視意識が含まれるからだ。

ましてや、日本国内から批判が出るとは、本当に意味が分からない。日本人たるもの美しく戦うべし、、と武士道でも持ち出したいのか。まぁ、批判勢力も決勝トーナメント進出を喜び、安堵したから、批判する余裕があるのだろう、、と信じたい。

ともかく、この四半世紀、足踏みもありながら成長を続けてきた日本サッカーが、一段と高いステージに上がったことは間違いない。こうした世界標準の戦い方ができるようになったことはプラス以外の何物でもないし、観る人も免疫を持つはずだから。

最後は、この国にサッカー文化を根付かせ、ここまで先頭に立って引っ張ってきた、この人の言葉で締めくくりたい。

「しかし、監督は日本が1点食らうと全て終わる。ボール回しで時間を空費してコロンビアの勝利を信じた方がトーナメント進出の確率が高いと!」

「1点差で仮に負けても決勝トーナメントに進出する可能性が高いと判断しての作戦がピタリ的中した。残り5分位ならいざ知らず10分以上ある中で」

「しかし、これが裏目に出たら西野監督は一生、批判を浴び続ける事になる。その覚悟を持っての決断は誰にも出来るものではない。西野監督は本当に腹が座っている」

by川渕三郎

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